行政書士試験!記述式過去問対策・平成30年・問46!図解付き
こんにちは、keijinhoです。
- 行政書士の取得を目指している
- 記述式の勉強方法を知りたい
- 記述答案例を見たい
本記事は、上記の方向けです。
ぼくは、今年、行政書士試験を初受験します。
今年の試験日は、コロナウイルスによる延期が無ければ2020年11月8日(日)ですので、今から約2ヶ月後になります。
2ヶ月前になってやっと試験勉強を開始したばかりですが、ブログとTwitterで記述式のアウトプットをしつつ、恥を晒していきながら、合格を目指して取り組んでいきたいと思います。
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それでは早速、平成30年・問46の記述式問題をやってみようと思います。
問題の確認(平成30年・問46)
問題 甲自動車(以下「甲」という。)を所有するAは、別の新車を取得したため、友人であるBに対して甲を贈与する旨を口頭で約し、Bも喜んでこれに同意した。しかしながら、Aは、しばらくして後悔するようになり、Bとの間で締結した甲に関する贈与契約をなかったことにしたいと考えるに至った。甲の引渡しを求めているBに対し、Aは、民法の規定に従い、どのような理由で、どのような法的主張をすべきか。40字程度で記述しなさい。なお、この贈与契約においては無効および取消しの原因は存在しないものとする。 |
まずは、問題を整理しましょう。
最初に、①AB 間で、A所有の車・甲を目的物とする贈与契約を締結(549条)しています。この贈与契約、口頭で約束しただけのようですね。贈与契約は、諾成契約なので、契約の成立は問題なさそうです。
ちなみに、甲の車種は何でしょうか。気になりますね!?
ただ、②Aは甲の贈与を後悔するようになり、無かったことにしたいと。。
無償ではありますが、甲をもらえると思ったBがちょっとかわいそうですね…
その後、③BはAに対し、甲の引渡しを請求しました。
Aが後悔して、贈与を無かったことにしようと考えてるなんて知らないB…
次に、問いの確認です。
(贈与を無かったことにしようと考えてることを前提に)
甲の引渡しを求めているBに対し、Aは、民法の規定に従い、どのような理由で、どのような法的主張をすべきか。
なお、この贈与契約においては無効および取消しの原因は存在しないものとする。
贈与を無かったこととする主張と理由が問われています。
前提がついている上、解答上の注意もありますので、この意向に沿って解答する必要があることにチェックすべきですね。
簡単に図を書いてますので、こちらもご参照いただければと思います。

検討
それでは、早速検討していきます。
まず、本問では、AB 間で、A所有の車の甲をBに贈与する契約をしています(本件契約・民法549条)。
- (贈与)
第549条 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
贈与契約は諾成契約です。
諾成契約とは、当事者の合意だけで成立する契約のことをいいます。売買や賃貸借、請負、委任なんかもそうですね。
合意だけで契約は成立するため、「所有するAは、・・・友人であるBに対して甲を贈与する旨を口頭で約し、Bも喜んでこれに同意した」とあるので、本問では、甲を目的物とした贈与契約が成立しています。
ちなみに、諾成契約とセットで出てくる用語として、要式行為があります。要式行為とは、契約書のように書面で取り交わす等の必要がある契約のことをいいます。保証契約や遺言がこれに当たりますね。
本問には関係ないので、脱線しすぎる前にこれくらいで次に行きますね。
次に、Bの引渡し請求に対し、Aは贈与契約を無かったことにしたいということで、契約を無かったことにする主張としては、民法総則の取消しや無効主張を思いつく方も多いかと思います。
ただ、本問は「贈与契約においては無効および取消しの原因は存在しないものとする」と問題に条件がついていますので、それ以外の主張を探る必要がありますね。
- (書面によらない贈与の解除)
第550条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
贈与独自の条項として、550条があります。
趣旨は、贈与者が慎重さを欠いたまま軽率に贈与を行うことを防ぐとともに、その贈与意思が客観的に明確化されるのを待つことで後日において証明が困難となる事態を回避するためです。
本問では、Aは甲の贈与を後悔している、、まさに「贈与者が慎重さを欠いたまま軽率に贈与を行うことを防ぐ」場合と言え、解除を主張することになりそうですね。
そして、甲の贈与は、口頭で行われているので、「書面によらない贈与」と言えます。
550条には但書きがありますが、本問ではBは甲の引渡しを請求したとあるので、「履行の終わった」には当たりませんね。
以上を踏まえて、解答にまとめていきたいと思います。
解答
(贈与を無かったことにしようと考えてることを前提に)
甲の引渡しを求めているBに対し、Aは、民法の規定に従い、どのような理由で、どのような法的主張をすべきか。
なお、この贈与契約においては無効および取消しの原因は存在しないものとする。
問いの確認ですが、ポイントは、4つですね。
- 贈与を無かったことにしようと考えてることを前提にする
- どのような理由によるか
- どのような法的主張をすべきか
- この贈与契約においては無効および取消しの原因は存在しない
この4つの要素に注意しながら解答を作る必要があります。
また、問いの形式には、そのまま答えるのもいつもの通りですね。
理由を書いている部分と、法的主張を書いている部分を明確に分けて答えを作成すべきですね。その方が、採点者が読みやすいかなと思います。
解答
『書面によらない贈与であり、履行
が終わっていないことを理由とし
て、解除を主張すべきである。』(44字)
まとめ
試験のほぼ2ヶ月前から、行政書士試験の勉強をスタートしましたが、記述式の解答や思考過程をブログやTwitterで楽しくアウトプットできています。自分自身の法律の理解や解答の注意点を強く意識するので、思っていた以上に効率も良い気がしています。
とりあえず、最低でも5年分の過去問・計15問はアウトプットしていきます。
『「忙しい」、「時間がない」と感じている人向け、今日から実践できる時間の作り方』
あと2ヶ月で皆様に負けないよう何とか合格レベルに持っていきますので、一緒にがんばっていきましょう。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。