社長室の役割、業務内容を詳しく紹介
・社長室の役割って何?
・どうしたら社長室になれるの?
・社長室の業務内容ってどんなのがあるか詳しく知りたい
本記事では、社長室の役割や業務内容を知りたい方向けに、社長室としての業務内容経験を踏まえつつ、社長室のことを紹介していきます。
Contents
そもそも社長室ってどんなポジション?
社長室とは
「社長室」は、企業によって業務が異なる場合が多く、その企業が社長室に何を求めているかによって変わることがありますが、多くの場合、経営トップの補佐役、参謀であり、経営管理部門の要といえます。
例えば、経営上の意思決定場面では、社内外からトップの判断材料となる情報を収集・分析・検討し、戦略を立て進言することが業務の1つです。また、様々なジャンルの業務が突然降ってくるので、臨機応変に対応することが求められます。
社長室の主な役割
①「社長室」は、企業内の各部門の取りまとめ役です。各部門が横断的な連携が取れるよう調整を行う役割を持っています。
②また、「社長室」は社内の広報・ムードメーカーとしての役割を持っています。社長や会社の考えを社員に浸透させ、明確な方向へ導いていくことが必要になってきます。
③さらに、「社長室」は「経営層の補佐役・参謀役」です。経営判断に必要な情報を集め、分析・検討して提供する役割を担います。
④加えて、現場の社員が何を考え、何を求めているかを把握するために、経営層、現場の双方とコミュニケーションすることも重要になります。
社長室に就くためには
社長室の仕事は、企業経験の無い方にとってはハードルが高いかもしれません。
企業経営には、「経営」「会計」「法知識」が重要になってきます。そこで、社長室への配属を希望する場合、経営の勉強をしたり、会計や法務の資格を取得したり、企業の管理部門で働いたりする経験が有効になってきます。
そのため、会計系、法律系の国家資格や、MBA取得も有意義かもしれません。
ぼく自身は、1社目は1部上場企業で法務と経営企画、2社目も1部上場企業で法務とファイナンスを経験しました。現職は3社目で、IPOと経営企画担当として入社しましたが、社長室が新設され配属になりました。
もともと、ビジネス実務法務2級、ビジネス実務会計2級、簿記2級を取得していて、入社後も、M&Aに関する資格やIPO実務検定上級に合格したりと、経営管理に関する経験や資格が活き、抜擢されることになりました。
社長室の具体例な業務内容

総論
社長室は、企業経営の様々な領域にかかわり、多忙な社長の補佐役を務めますし、日常から報告連絡相談が求められますが、ここからは、より具体的に業務内容をご紹介していきます。
経営企画
もともと経営企画を担当していたこともあり、社長室所属ですが、経営企画としての業務も行なっています。
いわゆる経営企画としての業務は、主に以下の通りです。
◆経営の方向性の明示
①単年度計画及び中期経営計画策定を策定し全社に目標を明示
②年間予算の方針の決定、予算作成と取りまとめ
◆市場動向や経営データ分析
③外部経営環境・内部経営環境の状況の分析
④過去の実績・経営課題の振り返り、現状の経営課題の抽出
⑤今後の取組みのまとめ
⑥財務状況把握(予想損益、予想貸借対照表、予想キャッシュフローの作成)
◆会議体の運営
⑦上記データを基に経営会議や取締役会を開催
⑧会議体の議題を取りまとめ、運営
秘書
社長室という役職と混同されがちなのが「秘書」です。
秘書の役割は、一般的には社長や役員のスケジュールを管理したり、外部との連絡をやり取りしたりすることだと思います。
当社には社長室の中に秘書がいるため、ぼく自身は秘書としての役割は担っていませんが、社長室のグループチャットやメールcc 等、情報共有されるようになっています。
秘書業務は以下の通りです。
①スケジュール管理:会議、会合や取引先訪問、出張などのスケジュールを調整・管理
②電話対応、来客対応:電話の応対や取り次ぎ、来客の接遇
③出張業務:出張に伴う交通機関の選択や手配、宿泊の手配、旅程表の作成等
④文書事務:役員に届く文書・メールの管理、社内・外文書等の作成
⑤役員の身の回りの世話:多忙な役員が本業に集中できるよう、飲み物の用意、贈答品の手配、慶弔に関する雑務等
⑥経理事務:出張旅費や飲食代、物品購入等の経費
プロジェクト(IPO)・特命
現在最も大きなプロジェクトは、IPOです。
もともとぼくはIPO実務責任者として現職に移ってきたこともあり、社長室に配属されても引き続きIPOの主担当を行なっています。
これに関連しますが、内部統制・J-soxの構築についても、一端を担っています。
また、定時・臨時株主総会の招集通知作成や株式管理、株主対応についても担当しています。
M&A、グループ戦略
この分野は、一般的にプロジェクトとも重なりますが、社長室の当社が業績拡大を企図し、不足しているリソースの買収等も視野に入れていること、ぼく自身が法知識やM&Aに明るいことから、その役割を担っています。
①M&Aスキームの考察
②メリット・デメリットの洗い出し
③株価算定、デューデリジェンス
法務・コンプライアンス
法務については、一般的には社長室の業務ではないかと思いますが、ぼくが法分野に明るいことと、法務担当が不在のため、契約書チェックや作成等についても担当しています。
もっとも、社長室は、新規事業創出の役割を担うこともあれば、株主総会・取締役会の運営、株主や債権者等様々なステークホルダーとの調整を行うこともあったり、法知識が必要となる場面が多々あります。
そのため、法務担当の兼務はしないまでも、法的資格を取得したりと法知識のインプットを心がけることが望ましいと思います。
広報
最後に、社長室は社長の代弁者であり、どちらを向いて仕事をしてほしいかを社員に伝えたりする広報・ムードメーカーとしての役割を持っています。
社長や会社の考えを社員に浸透させ、明確な方向へ導いていくことが必要になってきます。
現職では、展示会や各種表彰式、コンテスト等のイベントの共有だったり、製品・案件の紹介だったり、トピックになりそうなものがあれば、SNSやHPを更新して共有したりしています。
- 社長室のキャリアを知りたい方は、『社長室のその後のキャリア、社長室に向いてる人の特徴を徹底解説』をご覧ください。
- 社長室として働く上での注意点を知りたい方は、『社長室の心得・心構え3条件』をご覧ください。
まとめ
社長室の役割は、社長の補佐役・参謀役として社長が働きやすいように黒子役に徹することです。
また、社長室の業務内容は、経営企画、秘書、プロジェクト、M&A、法務、広報と多岐にわたるため、各分野に関し横断的な知識が必要になります。
社長室の仕事は企業によって異なりますし、他社の社長室はここで書いたもの以上にバリューを必要とする仕事ばかりだと思います。
とはいえ、経営者、特に社長のすぐ側で、経営トップの声や考え方に常に触れながら仕事ができることはとてもやりがいがあります。
本記事を読んで、社長室の仕事に興味を持っていただき、社長室を志す方が増えれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。