【行政書士試験の行政法対策】オススメ勉強法は過去問を中心に回すこと!!

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こんにちは、Keijinhoです。

  • 行政法で高得点を取るにはどうしたらいい?
  • 行政書士試験の行政法のオススメ勉強法が知りたい?
  • 行政法の勉強の際の注意点があれば教えてほしい?

本記事では、上記疑問に答えていきたいと思います。

ぼくは、2020年の行政書士試験に、2ヶ月半の勉強期間で1発合格しました。

宅地建物取引士やビジネス実務法務検定2級、IPO実務検定上級の資格を持っていて、本業が経営企画兼企業法務なので、民法や会社法の科目にアドバンテージはありましたが、行政法はついては特にアドバンテージは無いかなと思います。

そんな中でも、試験の結果は208/300点(69%)、行政法については、択一式が60/76点(得点率79%)、多肢選択式が14/16点(88%)、記述式が12/20点(60%)で、行政法合計が86/112点(77%)でした。

勉強期間が2ヶ月半とそんなに長くはない期間で77%の得点を積み上げられたので、本記事の行政法の勉強法については、これから受験対策をしていく皆さまの参考になるかなと思っています。

ちなみに、ぼくが受験戦略を立てるにあたって参考にしたのがクレアールの『非常識合格法』でした。参考になる・ならないは人によって違うかもですが、合格者や人気講師が勉強の方向性を解説してくれるのと、資料請求すれば無料でもらえるので、勉強に取り組む前や途中で勉強の仕方に悩んだときなどに読んでみることをオススメします。

Contents

本記事のポイント

  1. 行政法は行政書士試験の最重要科目です
  2. 行政法の択一対策のポイント
  3. 行政法各分野の注意点
  4. 記述式対策のポイント

行政法は行政書士試験の最重要科目です

行政法の対策の仕方の前に、なぜ行政法が行政書士試験の中で最重要科目なのかを確認しましょう。

行政書士試験は300満点で180点以上を取れば合格です。そのうち行政法は112点、全体の37%を占める科目で、試験科目の中で配点割合が1番大きい科目です。

もし、行政法で112点満点を取れば、一般科目の足切り回避の24点(6問)と併せて、136点になるので、一気に合格に近づきますね。なので、行政法で満点を取れればベストですが、少なくとも70~80%の得点を積み上げられるようにすることが合格のためには重要だと思います。

なので、行政法については特にしっかりと対策を立てて臨む必要がありますね。

行政法の対策のポイント

ここからは、行政法の対策のポイントをお伝えしていきます。

行政法の概要・全体像を押さえる

早速ですが、行政法の択一式は、以下の感じで出題されています。

  • 「5肢択一」(法令40問中19問×4点=76点)
    総論…3~5問
    行政手続法…3問
    行政不服審査法…3問
    行政事件訴訟法…3問
    国家賠償法(損失補償)…2問
    地方自治法…3問
    総合…0~2問程度

そして、行政法の全体像は以下の図の通りです。

出典・TAC 「みんなが欲しかった! 行政書士の教科書」

なので、行政法を勉強するにあたっては、全体のなかのどの分野の勉強をしているのか、なぜこのような手続きや救済方法があるのか、といった行政法における各法律の位置づけを意識すると、理解が深まり定着しやすくなります。

行政法は過去問での対策が有効

ぼくの勉強法の大きなルールは3点です。

  • 過去問対策のルール3つ
    ①繰り返すこと
    ②わからない部分があっても拘らずにいったん飛ばす
    ③問題ごとの正誤ではなく肢単位の正誤も確認する

①は、繰り返すことで知識が定着するからですね。

②は、1回読んで理解ができなくても、何かのきっかけで理解ができたり、繰り返すことで理解が深まったりすることがあるため、わからない部分にこだわらずにいったん飛ばすという感じです。

③については、一問一答形式ではなく、問題ごとに分野別に収録された過去問を使っているからです。最初から肢別問題集を使えばいいじゃん、ってなるかもですが、問題によっては正解に影響がない肢があったり、2個まで絞ったけどどちらか迷ったりという状況下でも正解が導けるようにするため、より試験に近い形式の方がいいかなと思っています。(ここは人それぞれ使いやすい方でいいかと思います。)

そのうえで、試験までに過去問10年分を最低でも3周させるようにスケジュールを立てて取り組みましょう。個人的には、5年分だと全分野を網羅できず足りないかなと思います。

  • 1周目-A1周する期限を決めその期間内に、Bある分野のテキストを読んで(読み込むというよりはサッと目を通す)、C該当箇所の過去問を解き、答え合わせで出題された箇所の条文とテキスト、判例を読む
  • 2周目-A2周目の期限を決めその期間内に、B過去問を解き答え合わせ、間違ってたり自信が無ければテキストや判例も参照する
  • 3周目-A3周目の期限を決めその期間内に、B間違った過去問や、理解が怪しそうな過去問だけを解いて、答え合わせ
  • 超直前期(1~3日前)-これまでに間違った肢の間違った箇所、解き方を再確認
    ※ぼくは、過去問を解く際のルールとして、肢が、正しいと思ったら〇、間違いと思ったら×、正しいかもなら(〇)、間違いかもなら(×)、サッパリ…なら( )で区別しています。

1周目のポイントは、テキストについては読むのに時間をかけず理解するというよりはどこに何が書いてあるか認識する、過去問については解くというよりはすぐに答えを読んでどういうことが問われているかを把握するくらいの感じです。

そんなんで意味あるのって思うかもですが、最初からすべて理解しようとすると、1周するのにめちゃくちゃ時間がかかってしまって前にやったことを忘れてしまったり、そもそも終わりが見えないと途中でやる気が無くなって1周も終わらずに試験を迎えるみたいなことになってしまうので、1周目はちょっと物足りないくらいの感覚でいいのでとりあえず終わらせましょう。ただ、1周目をいつまでに終わらせるという期限を設定し、これを守るように取り組みましょう。

2周目は、本格的に過去問を解いて、答え合わせをしていく感じになります。

3周目は、1・2周目で間違った問題はもちろん、正解した問題でも肢単位で間違ってるものや理解が怪しい肢があればそれも解きなおします。

また、超直前期(1~3日前)は、これまでに間違った肢の間違った箇所、解き方を再確認しましょう。

ちなみに、ぼくはこの方法で取り組んだ結果、2020年の試験で、総論3/4問、行手法3/3問、行審法1/3問、行訴法3/3問、国賠2/2問、地方自治2/3問、総合1/1問で、行政法択一合計15/19問でした。なので、運もあるかもですが、上記の通り取り組めば、19問中15問の正解はいけるかなと(行審法以外は、参考にしていただいても大丈夫かなと思います笑)。

行政法各分野の注意点

ここからは、行政法各分野の注意点をお伝えします。

行政法総論

総論は、行政作用や行政組織などを中心に、行政法分野全体に関わる分野です。

ここは、定義や用語の意味、要件・効果を正確に覚えることを意識しましょう。

例えばですが、ぼくの場合は、過去問検討において、総論部分はもちろん、それ以外の行政法分野の問題でも、定義や用語の理解があいまいだと感じたら、その都度テキストを参照して確認するようにしていました。

総論は、行政法全体に関わる分野なので、正確に理解することに努めましょう。

行政手続法

行手法は、行政機関が処分等を行うにあたっての事前ルールなどを定めた法律です。ルールが明確じゃないと、行政運営の公正の確保と透明性の向上が図られないですし、国民の権利利益の保護に繋がらないからですね。

行手法は、判例も多少はありますが、手続法というくらいなので、出題のほとんどが手続面、つまり条文問題です。そして、過去問を体系別に解いて条文に印をつけていると、何度も問われている条文や出題されている箇所というのが分かってきます。

なので、条文中心で何度も六法を確認しなきゃいけないので飽きてきたりしがちですが、根気強く条文を意識した勉強を根気強く続けていく必要があります。

行政不服審査法

行手法が事前手続きを定めたものであるのに対して、行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償法、この3つの法律は、行政処分が行われた後の救済の仕方を定めた法律です。

このうち、行審法は、国民から行政機関に対して、事後救済を求めるための法律です。

行審法も、判例からの出題が少なく、ほとんどが条文問題です。なので、行手法のように過去問を繰り返し解くことで頻出箇所や重要条文が分かるようになってくると思います。

ちなみにぼくは苦手でした笑。行審法は、特定行政書士を目指されてる方にとっては必須かと。

行政事件訴訟法

次に、行訴法です。

行訴法は、国民から裁判所に対して、事後救済を求めるための法律です。

行訴法は、条文だけでなく、判例からの出題も多いので判例理解も重要になります。とはいっても、条文については、過去問を繰り返し解いて頻出箇所や重要条文を押さえることで十分対策できます。判例問題については、同じ判例が繰り返し出題されているという感じなので、過去問で出題されたものをしっかり押さえておけば、十分対応できるかと思います。

また、行訴法は、記述式の問題で出題されることが多いです。そのため、条文や判例を勉強する際にも訴訟類型と訴訟要件(処分、原告適格、被告、出訴期間、仮の救済手続き)を比較して押さえるようにしましょう。

国家賠償法(損失補償)

行政救済法の3つ目は、国賠と損失補償です。

国賠は、国や地方公共団体等の「違法な行為」によって国民が損害を被った場合の賠償責任に関する法律です。

出題のほとんどが、ほぼ1条と2条の判例に関するものですが、判例は重要判例が繰り返し出題されているので、まずは過去問に出てくる判例をしっかり押さえましょう。

また、損失補償は、正当な公益を実現するための「適法な行為」だけど、それによって「特定の私人が特別の犠牲として被る損失」を補償する制度で、明文はなく、憲法29条3項を根拠に導き出されるものです。

損失補償の出題も判例が中心になるので、過去問に出てくる判例は最低限抑えるようにしましょう。

地方自治法

最後に、地方自治法です。

地方自治法は、条文数も多く諦めてしまいそうになりがちですが、択一では毎年3問程度出題されていますし、記述式でも平成26年の第44問で出題されていたりするので、捨てるわけにもいかない科目です。

とはいっても、範囲が広すぎて対策のしようがないかなと思います。

なので、過去問で出題された条文と、地方自治法の訴訟類型だけでも最低限抑えるようにしましょう。

ぼくは、過去問で出題された条文と訴訟類型についてだけ、趣旨・目的、要件、効果を簡単にまとめていました。仮に本試験で他のことが問われても、周りの受験生も同様にできないと思い、割り切っていました。そうすれば、試験中も割り切って捨てられるので、焦らずに済みますね。

比較しながら

行政法の勉強をしていると、行訴法と行審法の執行停止をはじめ似たような制度だったり、類似の語句や仕組みが出てきます。

それらを、文字や制度理解だけで覚えるのはツラいので、自分で図や表を書いたりしてイメージで覚えるようにしましょう。

記述式のポイント

記述式は、1問20点で配点が高いですが、完全に正解しなくても部分点がもらえます。おおよそ3つのキーワードで40字程度で解答を作成する形ですが、問いに答えないと点数が無いので、最低限「問いに答える」ことを意識し、また前提事実や事項を取り違えないようにして、採点官に読みやすい文章を作るよう心がけましょう。

キーワード2つを死守したいですね。なので、択一式の勉強時から、条文を読んで、用語とその意味をしっかり押さえるようにしましょう。

令和2年・問題44
 A県内の一定区域において、土地区画整理事業(これを「本件事業」という。)が計画された。それを施行するため、土地区画整理法に基づくA県知事の認可(これを「本件認可処分」という。)を受けて、土地区画整理組合(これを「本件組合」という。)が設立され、あわせて本件事業にかかる事業計画も確定された。これを受けて本件事業が施行され、工事の完了などを経て、最終的に、本件組合は、換地処分(これを「本件換地処分」という。)を行った。Xは、本件事業の区域内の宅地につき所有権を有し、本件組合の組合員であるところ、本件換地処分は換地の配分につき違法なものであるとして、その取消しの訴えを提起しようと考えたが、同訴訟の出訴期間がすでに経過していることが判明した。 この時点において、本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めるため、Xは、誰を被告として、どのような行為を対象とする、どのような訴訟(行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る。)を提起すべきか。40 字程度で記述しなさい。
※本試験では問題文は強調されていません

令和2年の問題44は、ぼくが受験した年の行政法の記述式の問題です。

  • 問い
    Xは、誰を被告とするか
    どのような行為を対象とするか
    どのような訴訟(行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る。)を提起すべきか
  • 前提
    Xは、本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めたい
    本件換地処分の取消訴訟の出訴期間がすでに経過している
    提起すべき訴訟類型は、行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る

こんな感じで、問いを正確に把握するとともに、問題文の前提となる事実や事項を踏まえたうえで解答を作成することが必要です。

ちなみに、この年のぼくの解答は以下の通りでした。

たぶんですが、2つのキーワードに合致しているので、12点くらいかな…?

  • 解答
    A県を被告として、本件換地処分
    を対象とする無効の確認を求める
    訴えを提起すべきである。(42字)
    ※正解例ではありませんので、注意してください。

行政書士研究センターの解答例
https://gyosei-shiken.or.jp/doc/exam/ans.html

まとめ

本記事をまとめます。

  1. 行政法の択一対策のポイントは、過去問を回すこと
  2. 行政法各分野の注意点は、全体の中の位置づけを意識すること
  3. 記述式対策のポイントは、問いに答えること

本記事を読んで合格される方が出れば嬉しいです。

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本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。