サラリーマンの税金の仕組み!年収700万円を例にわかりやすく解説【副業サラリーマン必見】
こんにちは、keijinhoです。
サラリーマンの税金って源泉徴収されているので、税金ってどのような仕組みで自分が税金をいくら支払っているか知らない方も多いと思います。
ぼくもサラリーマンですが、前職が不動産企業勤務で宅建やFPの資格取得を通じて税金の勉強をしたことに加え、現在は副業で不動産企業の顧問をしていて、不動産とは切り離せない税金についても勉強して詳しくなりました。
そこで、この記事ではサラリーマンが支払っている税金の仕組みについて、わかりやすく解説します。
Contents
本記事のポイント
- サラリーマンの税金の仕組み~年収700万円を例にわかりやすく解説
- 年収700万円のサラリーマンの税金額
- 年収700万円のサラリーマンが、副業で100万円の課税所得が増えたら?
サラリーマンの税金の仕組み~年収700万円を例にわかりやすく解説
源泉徴収は、「給料が支払われる段階で、税金を天引きして国に収めること」です。そして、普通は会社がすべて計算してくれ、会社が差し引いて納めているので、サラリーマンの皆さん自身が税金を計算することは少ないと思います。
サラリーマンはこの源泉徴収のおかげで納税が楽になっているメリットがあります。一方で国や地方自治体にとっては、本来なら後で納めるはずの税金を事前に納めてくれていて取りっぱぐれないので、とてもサラリーマンは楽な存在となっているのです。
しかも、税金の知識は、あえて国が難しくしているにもかかわらず、学校等では一般に教えてくれないので、税金の仕組みを知らない人が多く、知らないことで損をしがちです。
例えば、節税で一番といってもいいほどインパクトが大きい「住宅ローン控除」は、申告しないと減税の恩恵を受けられません。なので、知らないと損をします。
しかし、税金の知識を知っていれば、支払う税金を合法的に少なくできたり、払い過ぎた税金の還付を受けられたりする可能性があります。
さらに、サラリーマンで副業をしている方も多いと思いますが、副業で利益が出始めると、副業に対しても税金を支払う必要が出てきますし、税金の知識がないと、思っていたよりもキャッシュが残らないという事態も起こります。
サラリーマンの税金の仕組み~課税所得
ザックリいうと、サラリーマンの給与にかかる税金は所得税と住民税ですが、これは収入から給与所得控除と社会保険料控除等の所得控除を除いた「課税所得」に対してかかります。収入の全てに課税されるわけではありません。
- 課税所得 = 収入 − 給与所得控除
− 所得控除(基礎控除+社会保険料控除+その他控除) - 所得税額 = 課税所得 × 累進課税率 − 控除額
- 住民税額 = 課税所得 × 所得割 + 均等割 − 調整控除額
以下のように、年収700万円のサラリーマンの方は、所得税と住民税が約70万円になります。
- 年収700万円 → 所得税31万円、住民税38万円、計69万円
給与所得控除
まず、給与所得です。
給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出します。
この給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります。ただし、給与等の収入金額が660万円未満の場合には、以下の表にかかわらず、所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)(e-Govへリンク)により給与所得の金額を求めます。
平成29年分~令和元年分
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) | 給与所得控除額 |
1,800,000円以下 | 収入金額×40% 650,000円に満たない場合には 650,000円 |
1,800,000円超 ~ 3,600,000円以下 | 収入金額×30%+180,000円 |
3,600,000円超 ~ 6,600,000円以下 | 収入金額×20%+540,000円 |
6,600,000円超 ~ 10,000,000円以下 | 収入金額×10%+1,200,000円 |
10,000,000円超 | 2,200,000円(上限) |
年収700万円の場合、給与所得控除は「190万円」、給与所得は「510万円」ですね。
- 給与所得控除 = 収入金額×10% + 120万円 = 190万円
- 給与所得 = 年収−給与所得控除 = 700−190 = 510万円
課税所得
次に、課税所得です。
基礎控除は、年収にかかわらず一定で、所得税の場合38万円、住民税の場合33万円です。
また、社会保険料は、厚生年金9.15%、健康保険4.95%、雇用保険0.3%、合計14.4%です。企業や地域差がありますが、だいたいの目安はこんな感じです。
年収700万円の場合、基礎控除が38万円、社会保険料控除が100.8万円です。
- 課税所得 = 給与所得控除(190万円) – 基礎控除(38万円)
– 社会保険料控除(101万円) = 約370万円
なので、年収700万円の場合、課税所得は約370万円です。
この370万円に税金がかかります。繰り返しですが、収入の全てに課税されるわけではないですよ。
なお、結婚していて家族を扶養していれば、扶養控除などが受けられ、さらに課税所得が下がることになります。
加えて、保険料控除、ふるさと納税、医療費控除等により、さらに課税所得を下げることもできますよ。
年収700万円のサラリーマンの税金額
課税所得が出せれば、所得税と住民税が出るのはもうすぐです。
所得税の計算方法
日本は累進課税の制度を採用しているので、課税所得に応じて税率が変わります。
所得税の速算表
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
700万円×0.23-63万6千円=97万4千円
国税庁のサイトより引用
年収700万円場合、上述のように課税所得が370万円なので、所得税額は約31万円になります。
- 所得税 = 課税所得(370万円)×20% – 42.75万円 = 約31万円
住民税の計算方法
住民税は、基礎控除額は、所得税と異なり、33万円です。
また、どこの地域でも基本的に課税所得の10%です。
- 課税所得 = 給与所得控除(190万円) – 基礎控除(33万円)
– 社会保障(100万円) = 約376万円 - 住民税 = 課税所得(376万円)×10% + 均等割5,000円
– 調整控除2,500円 = 約38万円
なので、年収700万円の場合、住民税は38万円です。
年収700万円のサラリーマンが、副業で100万円の課税所得が増えたら?
ここまで、年収700万円のサラリーマンにかかる税金を解説してきました。
ここでは、副業で課税所得が年間100万円だとした場合、どれくらい税金が上がるか計算してみます。
(収入ではなく課税所得なのに注意です。売上から原価や経費、減価償却費を除いた値です。会計上の利益と捉えていただければと思います。)
年収700万円のサラリーマンの課税所得が370万円、副業での課税所得が100万円なので、
- 所得税 = 課税所得(470万円)×20% – 42.75万円 = 約51万円
- 住民税 = 課税所得(476万円)×10% + 均等割5,000円
– 調整控除2,500円 = 約48万円
とすると、
本業だけ年収700万円 | 本業700万円+副業課税所得100万円 | |
所得税 | 約31万円 | 約51万円 |
住民税 | 約38万円 | 約48万円 |
合計 | 約70万円 | 約100万円 |
年収700万円のサラリーマンは所得税と住民税の合計が約70万円くらいなのに、副業で課税所得が100万円増えただけで30万円も税金がUPしてしまいます。
かなり痛いですよね。。
そして、累進課税なので、課税所得が増えれば増えるほど税金がUPしていきます。
だからこそ、控除をうまく使って節税していきたいですね。
- サラリーマンが節税する方法について詳しく知りたい方は、『サラリーマンだからこそ節税が重要【即実践できる節税方法5つ】』をご覧ください!
- どうやって節税するのか知りたい方は、『税金の知識は座学より「実際にやってみて」学ぶべき【確定申告は全然難しくない】』をご覧ください!
まとめ
本記事のポイントをまとめます。
- サラリーマンの税金の仕組み
- 年収700万円のサラリーマンの税金額は、約70万円
- 年収700万円のサラリーマンが副業で100万円の利益を出したら、税金が約30万円増える
サラリーマンの税金の仕組みと、副業で利益が出た場合の税金の仕組みについて解説してきました。
正しい税金の知識を有していると、手元に残るキャッシュが変わってきますよ。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。